クロノス☆生き残りを賭けた「新メニュー」はじめました

2024年4月、日本がまた一歩破滅に向かって踏み込んでしまったようです(-_-;)

『世界で最初に飢えるのは日本』第五章(最終章)

第四章はこちらです。

 

 

第五章 農業再構戦略

 

政府がメディアを使って国民に刷り込んだこと

 

農業は規制に守られた「既得権益」であり「過保護」な業界。だから日本の農業の競争力は低下した。規制改革や貿易自由化が必要だ。

 

日本農業の「三つの虚構」

 

第一の虚構日本の農業は高関税で守られた閉鎖市場だ

 

この虚構はこちらの表を見れば明らかです↓

どの辺が「高関税」なのが教えてほしいものだ。ただし、こんにゃくは関税率1700%ととてつもない高関税。高関税って言ってる人、こんにゃくの話してるの?w

 

第二の虚構日本は世界から遅れた農業保護国であり、政府が農産物の価格を決めて買い取っている(価格支持政策)

 

日本はWTO加盟国の中では唯一農業の価格支持政策をほぼ廃止した国である。

 

*この後「価格」や「補助金」についての詳細な説明が書かれているが農業ド素人の私がいまいち把握できないため省略します<(_ _)>

 

第三の虚構:農家は補助金漬け

 

これだけ明確な数字が出てるのに、よく大嘘ついてディスれますね? 

 

ちなみに、所得のほとんどを税金でまかなっている国は「命を守り、環境を守り、地域コミュニティを守り、国土・国境を守っている農業を国民みんなで支えるのは当たり前」という考え方の国。日本はそれができない。

 

農業の大規模化はムリ

 

「日本は小規模農家が多いので、企業の参入によって大規模化すべき」と言う意見について。まず、無理! 山間部が多い日本では耕作地が狭くなってしまうので企業がやってもうまくいかない。幻想。

 

有機農業で中国にも後れをとっている

 

日本にある「黒ボク土」は肥料をやらなくても良いくらいの力を持っているが、それを活用していない。それどころか有機農業では世界からかなり遅れを取っている。

 

現在、中国は国策として有機農業を大々的に推進していて、EU向けの有機農産物の輸出で世界一位、有機農産物の生産力で世界三位というデータがある。

 

世界は今有機農業に向けて動いているが、日本は逆。日本は「農家が農業を続けていける共生システム作り」や「補助金を含めた国の支援」といった根本的なところが欠けているのだ。

 

「農業への補助金」実は大したコストではない

 

試算 ↓

 

・米作りのコストと買い取り額の差額を国が補填したとして3500億円程度

・全酪農家に補填するとして 750億円

・全国の小中学校の給食の無償化 約5000億円 

 

ステルス戦闘機F35・147機購入・維持予算は6兆6千万円。いざというとき食料がなくなってもF35は齧れない。

 

「みどりの食料戦略システム」

 

世界の潮流に取り残されつつある日本だが、実は2050年に向けて素晴らしい目標を掲げている。

 

・稲作を主体に有機栽培面積を25%(1000万ヘクタール)に拡大

・化学農薬五割減

・化学肥料三割減

 

お~、やればできる子じゃないか… なんて思ってはいけない…

 

まず、「代替農薬」としてRNA農薬を視野に入れている時点で怪しい。RNA農薬を使って「有機栽培」を名乗ることが認められたら本末転倒だ。有機農業から得られる利益が農家ではなく企業に還元される可能性もある。

 

この企業が絡んでる時点で「更に怪しい」が加速する↓

bio.nikkeibp.co.jp

 

そして、ゲノム編集作物大推進、イノベーション、AI、スマート農業技術…こんな用語を並べられたら「農家が消え、コミュニティが崩壊したあと、AIを駆使した企業が農業を独占する」という未来しか見えない。

 

GAFAビル・ゲイツの農業参入という最悪のシナリオも現実味を増している。

 

理想のキーワードは、ナチュラル、オーガニック、アニマル・ウェルフェア、バイオダイバーシティ、そして美しい景観。これらに配慮されて作られているものはホンモノであり、安全で、かつ美味しい。

 

 

給食で有機作物を

 

今、子ども達をターゲットにゲノム編集トマトの普及活動が始まっている。この特許料はアメリカのグローバル種子・農薬企業に入ると言われている。安全性が確認できていないものを日本の子ども達を実験台にして浸透させるビジネスモデルだという。

 

学校給食を公共調達して質を上げるべきだ。そして、給食を有機米や有機野菜の需要の出口に使うことで有機農業の拡大ができるし、子ども達の食育にもなる。

 

 

 

「ローカルフード法」は日本を変えるか

 

localfood.jp

そこで川田龍平が、
印鑰智哉、
鈴木宣弘、
堤未果の3人に声をかけ、
「ローカルフードプロジェクトチーム」を結成、
毎週集まり話し合い、国内外の事例を学び、専門家に話を聞き、
2年かかって完成させたのが
この「ローカルフード」法案です。

 

百聞は一見に如かず…HPをご覧ください。私も後からじっくり読み込んで、自分ができることを探して実行するつもりです。

 

日本のお金が「中抜き」される理由

 

著者の鈴木氏が審議会の畜産部会長を務めていた時、エサ価格の高騰で危機に瀕した畜産業の救済に4000億円の緊急予算を獲得したところ、酪農家へ届いたのはなんとたったの100億円だったという。3900億円が消えたのだ。(こんなの犯罪でいいだろう)

 

国の予算にはこうした「中抜き」が生じる。だが、農協が解体の危機に直面してしまった今、こういうことに声をあげる組織がなくなってしまったのだ。

 

ここからは種々の取り組みが紹介されていてまとめきれないので省略するが、「希望はある」と思える内容。「無理~(;'∀')飢えて死ぬだけ~」と開き直っていたけど、「いや、まだ何かできることはある!」と思い直せた。

 

あとがきの最後の1ページを貼ってこのシリーズは完了といたします。

 

 

拙いまとめですが、ここまでお読みくださった方、ありがとうございました。