「教育一般貸付(国の教育ローン)」って聞けばなんだか「良心的な金利で国民が教育を受けられるためにがんばってくれてる政府」な感じしますよね。
ちょっとシミュレーションしてみました。Max350万円をMax18年で返済するパターンで出た数字が以下の通り ↓
まず、ざっと説明させていただきましょう。
350万円の借入で返済額は4,256,000円なので、756,000円が利息ということです。けれど、受け取り額は350万円ではありません。
一番下の「保証料総額」を見てください。これはなにかと申しますと、多額の学費を借りるにあたって「保証人」を探すのは難しいということで、昨今流行りの「保証会社」が入るわけです。つまり、保証人がいれば0のところを194,120円支払うことになるわけですが、利用者の9割はこの制度を利用しているそうです。
そして、この保証料はどうやって支払うかと申しますと「ご融資から一括差し引き」との事です。つまり、350万円借りる場合はそこから一括で差し引かれて受け取る額は約330万円ということになります。
しかも、えげつないのが、このローンの使途として定められている項目の中に「入学金」「授業料」「パソコン購入費」に混ざって「国民年金保険料」という項目が入っているところ。もう国にお金を納めさせることしか考えてないでしょう?
民間ローンをざっと見たところ「国のローンがお得」というわけではなさそう。ただ、民間は「変動金利」なので今のご時世だと国のローンの「固定」が安心というのはあるのでしょうが。民間ローンは保証会社を使っても保証料は無料のようです。(ただし、その分は金利に上乗せされているという話ですが)
いずれにせよ「国がやってるから安い/お得」という先入観で一択にせず、シミュレーションして民間ローンとしっかり比較していただきたいです。
それから、ここまでして日本の大学に行ったところで、国力がどんどん低下している今「大学→良い就職→豊かな暮らし」というコースが成り立つのだろうか、という疑問もあります。同じお金を使うなら「留学」も視野に入れても良いのでは? 例えば1年の語学留学だとしても、日本の大学を出るより将来の仕事に繋がる可能性もあるのではないかと思います。
これからは日本人は減る一方で移民が増えます。けれど、外国語が使いこなせる日本人は圧倒的に少ないのです。時世の流れを読んで、自分を分析して、正しい選択肢をみつけてください。
そもそも日本政府が学費を無料(ないし減額)にすれば教育ローンなんぞ要らない。
海外やホリエモンのロケットにばら撒く余裕があるんだから学費無料なんぞ容易い話じゃないんですかね? こんなことやってるから「国力」はどんどん低下していくのです。