Xで拾った動画を和訳します。意訳も入ってますがほぼ全文です。
このビデオ、絶対に見た方が良い。イスラエルのパレスチナ村ナザレで生まれたイスラエル国籍のパレスチナ人のCEOが作ったビデオ。すでによくわからないという人もいるかもしれない彼のプロフィールだからこそ訴えられる彼のメッセージ。素晴らしい。
— 曽我太一 Taichi Soga@エルサレム (@soga_taichi) 2023年10月21日
pic.twitter.com/LGG2Gpqcsa
僕は「もっとも物議を醸しだすビデオ」を作ります。それは1千万人が必要とするものだから。フィルターはかかってないから最後まで見てほしい。
1992年、僕は「世界でもっとも紛争に満ちた地」で生まれた。イスラエルの内地ではその20%がユダヤ人ではない。だから僕のような「イスラム・アラブ・パレスチナ人」が存在する。
けれど、イスラエル政府の元で生まれた僕はイスラエルのアイデンティティとパスポートを持っている。デンマークにでも生まれたかったけど、そうはいかなかった;この僕だけの「物議を醸しだす」背景によって他の人が持たない視点が持てるようになった。
15歳のころのユダヤ人少女との会話。
少女「テロリストじゃないアラブ人なんて居ない」
僕「けれど、僕はテロリストではない!」
少女「あなたは違う」
僕「けど僕はアラブ人だ」
少女「あなたはアラブ人じゃない」
僕「僕はアラビア語をしゃべるよ!アラブ人はなぜテロリスト? 君を殺したいの?
僕は君と友達でいたいんだ」
少女「NO! すべてのアラブ人はテロリストよ!」
イスラエル兵に攻撃されるところだった(多分その会話の後の話)。チェックポイントで数時間殴られたこともある。
けれど僕にはイスラエル人が「生命の危機に怯える気持ち」も理解できる。イスラエルの友人とロケット弾から逃れるためにシェルターに隠れたこともあるから。
FBを開くと、パレスチナ人の友人がイスラエルの空爆で罪のないいとこを失ったことを知り、スクロールすると、イスラエル人の友人の兄弟がパレスチナ人から背中を刺されて死んだことを知る。(それが日常)
「パレスチナ人であるがゆえに難民キャンプに暮らすパレスチナ人」「ユダヤ人であるがゆえに中東から弾き出されるユダヤ人」その共通項はなに?
苦しみ 痛み 怒り それが両側に存在しているんだ。両側にだ! それは誰一人否定できないだろう。
イスラエルが消えてほしいなんて多くの人は望んでいない。僕にとっても、イスラエルには良い人がたくさん居るから存在してほしい。そして、パレスチナも良い人がたくさん居るという理由で存在すべきなんだ。
それは、僕が「どちらかの問題ではない」と考える理由でもある。
どっちが本当の国家かなんてバカげている! イスラエルとパレスチナはゲームではない。どちらかを選んで応援するという問題ではない!
あなたにとっては遥か遠い世界の話でも僕にとっては生死に関わる話なんだ。イスラエルがなくなれば僕の家族は消える。パレスチナがなくなれば僕の民族は消える。
必要なのは2つの独立国家ではないのか? 隣り合った平和の中で、空爆やナイフで誰一人死なない、2つの民族のための2つの国家。
74年間止まることがなかったこの困難を止めるための解決策を後押しすることが僕の仕事であって、あなた方の仕事でもある。
解決策はシンプル。共に生き、手を携えて、分断しないこと!
これが僕がこのビデオを作って平和を望む多くのイスラエル人と、平和が必要なパレスチナ人をサポートする理由だ。
僕の会社は6人のパレスチナ人と3人のイスラエル人を雇っている。パレスチナで不動産投資をして、イスラエルのテックカンパニーにも投資している。
このビデオは僕やイスラエルやパレスチナについての話だけではなく、世界の紛争の話だ。
両側の過激派はあなたを巻き込もうとするだろう。けれど、あなたは困難を作り続ける過激派ではない。彼らと共に立つのではなく解決策を求めよう。あなたの村を抜け出して敵との友好関係を築こう。
あなた達には私が30年間みてきたものがわかるだろう。
あなた達は彼らが求めているものがあなた達を同じであることを知るだろう。
あなた達が望んでいるのは「家」「仕事」「家族」、けれど何よりも「生きること」を望んでいる。(それは彼らも同じ)
悲しい話がある。
イスラエル/パレスチナいずれか一方の国の12歳の子どもが僕のビデオを見て
「このビデオが好き。僕も平和がほしいから」と言ってくれた。
けれど、すぐに彼の周りの人達が言った。
「そんなことを言ってはいけない! 自分達で判断すべきだ。
我々が望んでいるのは敵を叩き潰すことだ」
1年後少年は言った。
「僕は敵を叩き潰したいんだ!」と。
人生で一番悲しい出来事だった。
ウクライナ紛争の頃から思っていましたが、日本人はまるでスポーツ観戦のように「ウクライナを応援する!」と意志表明してましたが、戦争を応援するという発想の向こうに「人を殺す」という感覚がないのが不思議でした。
今も、イスラエル支持のインフルエンサーが「イスラエルの建国の歴史」を拡散しては「イスラエルは正当だ」と主張しています。
けれど、問題はそんなことではない。
Shaking puppy in Gaza is so traumatized by bombings that it cannot eat. pic.twitter.com/vPurJ1XHro
— Alan MacLeod (@AlanRMacLeod) 2023年10月21日
こういう悲劇を今すぐ止めろ! という話なんです。心のケアをしてあげようにも攻撃は続き、命すら危うい状態ではどうしようもないのです。
SNSには骸と化した家族や知人の前で泣き崩れているパレスチナの人達の動画は山ほど出てきます。刺激が強すぎると思って子犬の動画に留めましたが。そんな現実の前に「どちらが正当か」なんて言っていられる神経が理解できません。