新刊読みたいから急いで読了したい。
最後の1/3が「台湾有事」に関する内容だけど、台湾有事は新刊の方で説明するので、ここはタリバンに関するくだりをまとめておこう。この本、図書館で借りた本なので返してしまうと手元に正確な情報が残らないので「自分的備忘録」の意味もある。
さてと、タリバン。イメージしやすいように前に貼った動画をもう一度貼る。
🚨BREAKING : The Taliban pledged to send 1000s of soldiers to fight alongside Hezbollah in the upcoming war against Israel. The Taliban says they have billions worth of US weapons that Biden left behind in Afghanistan. pic.twitter.com/JVYk4TA11f
— GoClips (@GoreClipps) 2024年6月22日
腕にはためくタリバン旗がカッコいいよね。カッコいいのは旗だけじゃないんだけどね。
余談だけど、こうしてタリバンやヒズボラやアンサルーラを見てると、やっぱりハマスは規模も小さいし「軍」ではないんだよね。Oct.7の動画見てるとグループで動いてるんだけど統制が取れてない。統制どころか詳細な指示が出てないんじゃないか、というレベルだった。けど、個々の機動力であれだけイスラエルの戦力削ってるってスゴイと思う。「軍」ではない分仲間意識は強いのだろうな。それだけに死を覚悟でフェンスを超えたあの日の思いは汲み取っていかないといけないんだと思ってる。
さて、タリバン。上の動画でイメージはできたかな? ではまとめいきましょう。
表面的な流れは以下の通り↓
2001年9月11日 同時多発テロ事件発生
その後20年間米国が占領。統治したのは米国傀儡政権のアフガニスタン政権。
2021年4月 バイデンが「2021年9月11日までに駐留米軍を完全撤退させる」宣言
ところが、アフガニスタン政府へのバトンタッチをスムーズにやらなかったので悲惨な米軍撤退が始まる。(この動画探したんだけどみつからなかた。消されたかな?)
8月17日、タリバンがアフガニスタン政府に平和的降伏を求め勝利宣言した。
こうしてタリバンは政権を取り戻したが、米国による「資産凍結」「経済制裁」でアフガニスタンの貧困度は97%に達してしまう。
では次に、この「表面的な流れ」の裏で何が動いていたのかをまとめていくが、外交関係の複雑な話になるのでかなり端折るよ。
中国は2021年9月8日から動きだした。「複数回のアフガニスタン周辺国外相会議」「上海協力機構の首脳会議」等で準備を重ねて、2022年4月12日に「アフガン問題に関する中国の立場」という声明を発表した。それは「和平案」「支援案」とも位置付けられ「アメリカが紛争を起こし、その『後始末』を中国がする」という形になっている。
そして、ここに至るまでにもう一つの流れがあった。
実は2016年にアフガニスタン、パキスタン、米国(オバマ政権)、中国の4カ国は平和交渉をしていた。ところが、その年の5月21日、米軍は当時のタリバンの最高指導者マンスール師をドローンで殺害したのだ。
この時にタリバンの代表団が中国に「助けてほしい」とSOSを出した。
この時習近平は新疆ウイグル自治区で頻繁に起きているテロの背後の一つにタリバンがいると見て、「反テロ」を条件に「経済支援」を交わした。(実際以後テロは止まっている)
さて、米国が抜けた「4カ国和平会談」だが、習近平はウイグル問題を抱えていたのであまり前面に出たくなかった。そこで水面下で頼んだ相手がプーチンだった。その後ロシアは「モスクワ和平協議」を主導した。
実は米国はトランプ政権がタリバンを単独に相手に協議しようとした枠組みがあったのだが、2019年8月にタリバン最高指導者の弟が爆殺されたことによって局面が混乱してしまった。
遠藤氏曰く、習近平には「パキスタンとアフガニスタンをつなげて一帯一路を完成したい」という思惑があり、彼がアフタにスタン傀儡政権ともタリバンともしっかり結びついていたのはその思惑ゆえであった。
そして、アフガニスタン傀儡政権を倒すために荀子哲理『兵不血刃』の戦略を発揮させたのだ。「農村に根拠地を置け!」と。これは2016年から習近平が描いたシナリオで、それに沿ってタリバン軍は一気に傀儡政権を降参に追いやった。
さて、無様な米軍撤退で全世界、NATOに対する威信を失った米国はNATOの信頼を取り戻すためにウクライナ戦争を仕掛けたが、今度はウクライナ戦争に集中するあまり、アフガンが米国の力の及ばない「空白地域」になった。
これが、習近平が構築しようとしている「米一極から多極化への地殻変動」を駆動する力の一つとなっているのである。(略)アフガンでもウクライナでも中国の弱体化には成功しなかったアメリカは、今度こそはとばかりに、その矛先を台湾そのものに向けている。
まとめは以上。おまけは以下。
#習近平主席の共産党員人生物語(その1)。50年前、中国北西部の陝西省の北部に位置する小さな村ーー梁家河で、20歳の青年習近平が紆余曲折を経ながらやっと中国共産党入党を果たした。これは、習近平が世界最大の政党で最高幹部の地位にまで上り詰める政治家としての第一歩だった。 pic.twitter.com/2hLDrrLfcm
— 薛剑XueJian (@xuejianosaka) 2024年7月1日
習近平エピソード
父親が失脚した15歳の頃習近平は党校のキャンパスで書籍を運ぶ仕事を手伝っていた。そのついでに何冊か頂戴してこっそり読み始めたのだが、その本がなんと中国古典の中でも際立ってエロイ『三言』だったそうだw しかも「繰り返し繰り返し読んだ」と。中には教訓のようなことが多く書かれているので何ら恥じることもなく「その警句を今でもそらんじている」と言っているそうだ。