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2024年4月、日本がまた一歩破滅に向かって踏み込んでしまったようです(-_-;) なので動乱を生き抜く戦略ブログにシフトしてます。

『チ。ー地球の運動についてー』第2集~第5集のSTORY (ネタバレあり…というよりネタバレそのもの)

第一集が実に感動的だったのでこちらで記事にした。

c-exceed.hatenablog.com

 

第2集以降は書くつもりはなかったのだが、なにせストーリーを忘れてしまう人なので備忘録的に簡単にあらすじを書いておくことにした。(ということで以下フルネタバレですよw)

 

チ。―地球の運動について―(2) (ビッグコミックス)

時はラファウの処刑から10年後

 

大闘士(簡単に言うと人殺し職)のオクジ―は、穢れた地球から空を見上げることが恐ろしく「天国に行く」ことだけが望みという男。その相棒のグラスは、家族を失い絶望のどん底を味わいながらも「この世界は美しいかもしれない」という希望は捨てていなかった。

 

グラスは火星の観察をはじめていた。その軌道が完璧な円環を描くことが最大の希望だったのだが、ある日火星は明後日の方向に曲がってしまったのだ。

 

後日、二人は「異端者の輸送警備」という職についた。そして、同伴する異端審問官の一人は(あの)ノヴァクだった。

 

オクジ―とグラスは、その異端者の「この地球(ほし)は天国より美しい」という言葉に打たれ、仕事を擲ってしまう。異端者はオクジーを庇ってノヴァクの剣に身を貫かれる。死に際に「歴史が君を必要としたからだ。頼む」とペンダントをオクジーに託した。その死に顔の満足気な笑顔がオクジーに衝撃を与える。

 

二人は字も読めないだろうし放っておいても問題はないという判断からノヴァクは見逃した。そして二人は「地動説の資料」に行き着いた。けれどその内容がまったく把握できない。そこで二人はグラスの知り合いのバデーニという名の修道士の元を目指す。

 

その途上でグラスは事故で死んだ。だが、オクジーに託すことで彼には希望があった。その死に際の表情は満足気だった。

 

当のバデーニは修道院で「禁書」を開いたことによって目を潰されていた。片目になったバデーニを訪ねたオクジーは、話の成り行きからグラスの火星観察の続きをすることになってしまう。(バデーニに観察が認められれば資料を見てくれるという約束がなされたのだ)

 

怖くて空が見上げられないオクジーは逃げようと考えた。けれど、今まで見てきた数多の死に顔に中で満足そうだったのは、天国よりこの世を重視した異端者とグラスだけだったのだ。オクジーは彼らが求めた星空を仰いだ。

 

オクジ―の観察は認められてバデーニを資料の場所に案内することができた。資料を見たバデーニに「人生が変わるようなものでしたか?」とオクジーが問うと彼は言った。

 

「いや違う…これは、宇宙が変わるぞ」…それは10年前にラファウが命をかけて守った資料だった。思いは受け継がれていく。

 

バデーニはオクジーに「地動説」を説明する。火星の逆行も地球が静止していないからだと説く。地球が天の美しさの一員かもしれないという説にオクジーははじめて空の美しさを知る。

 

チ。―地球の運動について―(3) (ビッグコミックス)

 

 

バデーニは「研究書の著者には『なにか』が欠けている」と指摘し、自分がその研究を完成させると断言した。オクジーは「観測手」として住み込みで雇われることになった。

 

バデーニは「問題を解く知識」と出会うために掲示板に「問題」を貼って歩いた。するとその日のうちに解答者が現れたが…なんと、一人の少女だった。

 

彼女の名はヨレンタ、14歳。宇宙論の大家ピャスト伯の施設で働いているが、優秀なのに女ゆえに差別され続けて図書館の雑用しかやらせてもらえず鬱憤を抱えている。実家でその話をしても、父は「何も目指さずに何もするな」と説く。

 

そんな彼女が、上司のコルベに論文を盗用され落ち込んだところに出会ったのがバデーニの「問題」だったのだ。

 

バデーニはヨレンタに白羽の矢を立てた。女性ゆえに密告しずらいという利点も考慮した上でだ。だが、ダイレクトに「地球が動いている」と告げられたヨレンタは混乱する。

 

幾つかの出来事を経て、ヨレンタはコルベに密告することよりバデーニと共同する道を選択した。だが、バデーニにピャスト伯を紹介する、と言った途端にバデーニが不快感を露わにした。ピャスト伯は「天動説」に人生を捧げた研究者だったのだ。

 

そしてピャスト伯もバデーニを拒んだ。ピャスト伯の師は天動説を完成させないまま逝った。だからこそピャスト伯はなんとしてもそれを完成したかったのだ。けれど、実は遠いある日、ピャスト伯は「満ちた金星」を観測してしまった。金星が満ちているということは天動説ではありえないのだ。それから彼には「天動説への不信」が存在し続けてもいた。

 

ピャストは「満ちた金星を観察する」という課題を与えた。超人的に視力の良いオクジーが観察することになった。彼は恐ろしかった。宇宙の摂理が彼が見たものにかかているのだから。けれど、彼には満ちた金星が見たいという思いも強かった。

 

そして……

金星は満ちていた。(画像はPixabay

 

ピャスト伯は認めなかった。「積み上げられた研究は、こんな一瞬で否定してよい物ではない」と…だが、そんなことができる力があったとしたらそれは「真理」なのだ、ということも理解していた。資料室の鍵はバデーニに手渡された。

 

ヨレンタはバデーニのプロジェクトから外れた。オクジーはヨレンタに「文字が読めるってどんな感じなのか」を問い、彼女はそれは「時間と場所を超越できる奇蹟」だと答える。

 

その夜、ピャスト伯が倒れた。

 

チ。―地球の運動について―(4) (ビッグコミックス)

 

 

ピャスト伯は死に、オクジーはヨレンタから文字を学んで記録を書きはじめる。そして、バデーニはついに「地動説の完成」に至った。

 

けれど、一方で、異端に対する締め付けも加速していた。異端審問職の新人たちの実習指導員が(あの)ノヴァクだったのだ。「世界を今のまま保持するのに必要なのは血だ」と断言する。(バデーニは「世界を変えるために必要なのは知です」と断言した。「チ。」にかけたこの対比はとても重要なところ)

 

居酒屋でオクジーとヨレンタに「地動説の完成」と今後の予定を告げるバデーニ。そこにヨレンタの父がやってくる。紹介されたその男は……ノヴァクだった。

 

ノヴァクは研究室である納屋を調べた。「何もありませんね」と言って帰って行ったがネックレスを見られた疑いもありバデーニはすぐに動いた。

 

けれど、ノヴァクの動きの方が早かった。バデーニは書類を燃やし、手紙を書く時間が必要だった。そして、その時間を命を持って稼ごうとするオクジー。それは、地動説に感動したから。「今はこの地球(かんどう)を守る為に地獄へ行ける」…それを間違っているとしながらも祝福を与えるバデーニ。

 

オクジ―がノヴァクたちの馬車の前に立ちはだかった。

 

チ。―地球の運動について―(5) (ビッグコミックス)

 

 

オクジ―はノヴァクの部下3名を殺し(本人に殺す意志はなかったが)、ノヴァクもあと一歩ということろまで追い詰めたが、援軍が来て捕獲されてしまう。

 

オクジ―が拷問にかけられてバデーニが石棺のありかを喋ってしまう。そして、ノヴァクから石棺のために自死した12歳(ラファウ)の話を聞かされる。

 

二人は絞首刑となるが、目の前に展開する美しい星空に「天界の入り口に立った」と確信した。その死に顔は満足そうだった…。

 

(画像:Pixabay)

 

一方ヨレンタはノヴァクを貶めたい助任司祭によって拷問にかけられていた。新人審問官が司祭の計画を知ってヨレンタを逃がすが、それによって焼き殺されてしまう。その焼死体をヨレンタとして見せられたノヴァク。形見として残された手袋を見て絶望のどん底に落ちていくノヴァク。

 

バデーニの極刑が自分の通報によるものではないかと思い悩む同僚のクラボフスキ。彼は本棚から手紙を見つけた。そこにはルクレティウスの詩が書かれていた。(それは、以前バデーニに聞かせてほしいと言って拒否られたものだ)そして、それと引き換えに「貧民が訪ねてきたら対応してほしい」という「お願い」が書かれていた。

 

それこそがバデーニの仕掛け。貧民たちの頭には文字の刺青があった。それはオクジーが書いた本の内容60ページ分。この世を変えるのは「知」

 

そして25年後。

 

ざっと「あらすじ」だけ辿ってますが、細かいところに感動のシーンが散りばめられているので、機会があれば一読されることをお薦めします。名作ですよ。

 

第6集から第8集(最終集)は次の記事で書きます。